「当たり前」を大切にすることから
みなさんは「5S」という言葉を聞いたことがありますか?製造業や医療現場などで広く知られるこの活動は、整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったものです。聞いてみれば「当たり前のこと」ばかり——でも、その「当たり前」を毎日ちゃんとやり続けることが、じつはとても難しく、そしてとても大切なのです。
兵庫県赤穂市にある就労継続支援B型フロンティアでは、利用者さんと職員が力を合わせて、この5S活動を施設全体のモラル向上の柱に据えています。「なぜ障がい者福祉の現場で5S?」と思われる方もいるかもしれません。しかしこの活動は、単なる「お掃除の習慣」ではありません。自分たちの職場を自分たちの手でつくるという、誇りと主体性を育む取り組みなのです。
💡 5S活動は「やらされるもの」ではなく、「自分たちのための活動」です。知っているだけではなく、「ちゃんとできている!」が大事。
5Sって何?——ひとつひとつを丁寧に
まず、5Sの内容をわかりやすく整理してみましょう。フロンティアでは、利用者さんが視覚的に理解しやすいようポスターを作成し、日々の業務の中で自然と目に入るよう掲示しています。
| S | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| S1 | 整理(せいり) | いる物・いらない物を分けて、いらない物は処分する |
| S2 | 整頓(せいとん) | 決まった場所に、誰でもすぐ取り出せるよう置く |
| S3 | 清掃(せいそう) | ゴミ・チリ・汚れをなくし、ピカピカな状態を維持する |
| S4 | 清潔(せいけつ) | S1〜S3の状態をずっと保ち続ける |
| S5 | 躾(しつけ) | 決めたルールを全員で習慣にする |
この5つは、順番に積み重ねていくものです。まず不要な物を取り除き(整理)、残った物に定位置を与え(整頓)、その場所をきれいに保ち(清掃)、その状態を継続し(清潔)、そしてそれを「当たり前のこと」として身につける(躾)——まるで建物の土台を一段ずつ積み上げていくような、論理的な流れがあります。
なぜ今、フロンティアで5Sなのか
就労継続支援B型フロンティアが支援する利用者さんの多くは、将来的な一般就労や社会参加を目標としています。そのとき、採用する企業が真っ先に見るのは「仕事のスキル」だけではありません。時間を守れるか、整理整頓ができているか、挨拶や返事がしっかりできているか——つまり、社会人としての基本的な姿勢が問われるのです。
障がいの有無に関わらず、「働く」ということは社会との接点を持つことです。だからこそ、フロンティアでは就労訓練の一環として、この5S活動を日課に組み込んでいます。毎朝の清掃、物の定位置管理、使ったら元に戻す習慣——これらの小さな積み重ねが、利用者さんの自信と誇りを育てていきます。
🌟 「自分が掃除した場所がきれいになった」「自分がラベルを貼った棚を、みんなが使っている」——そんな小さな「やった!」の体験が、働く意欲の土台になります。
5S活動の実際——フロンティアの現場から
① 整理・整頓:「物の住所」を決める
フロンティアの作業スペースでは、すべての道具・備品に「住所」があります。ラベルを貼り、輪郭をマーキングし、「ここに何が置かれるべきか」を視覚的に示す工夫がされています。誰かが物を使ったあとも、元の場所に戻すことが自然な習慣になっています。これは、記憶力や集中力に不安を持つ利用者さんにとっても、とても安心感のある環境づくりにつながっています。
② 清掃:「気づいた人が動く」文化
「汚れているのに気づいても、自分の仕事じゃないから……」そんな空気を、フロンティアでは作りません。汚れに気づいた人が、すぐに行動する。それは利用者さんも職員も同じです。「自分が清掃した場所がきれいになる」という体験は、環境への責任感と、仕事への誇りを同時に育てます。
③ 躾:「ルールを守る」から「習慣にする」へ
5Sの中でもっとも難しく、そしてもっとも大切なのが「躾」です。ルールを知っているだけでは意味がありません。「当たり前のこととして体に染み込ませる」——それが躾の本質です。フロンティアでは、声かけや確認を繰り返しながら、利用者さんが自分自身で「できた!」と感じられる成功体験を積み重ねることを重視しています。
「できないのではなく、まだ慣れていないだけ。」
——フロンティアのスタッフが大切にしている言葉です。
就労選択支援との連携——「その人に合った働き方」を見つける
兵庫県赤穂市の就労選択支援フロンティアでは、利用者さん一人ひとりが「自分にはどんな働き方が向いているか」をじっくりと考える機会を提供しています。この就労選択支援と、就労継続支援B型での日々の実践がつながることで、「やってみたい仕事」と「できるようになったこと」が重なっていきます。
5S活動はその連携の大切な土台です。整理・整頓・清掃・清潔・躾を通じて培われた「丁寧に、責任を持って取り組む姿勢」は、どんな職場でも必ず評価される力です。就労選択支援フロンティアを利用する方々が将来の職場でいきいきと活躍するために、今日のこの一歩が確かな準備になっていると、私たちは信じています。
💼 就労継続支援B型フロンティア × 就労選択支援フロンティアの両輪で、利用者さんの「働く未来」を全力で応援しています。
モラル向上は「みんなで」——職員と利用者がともに育つ場所
5S活動で大切なのは、「職員が教え、利用者が従う」という一方通行の関係ではありません。職員も利用者さんも、同じ職場を共有する仲間として、互いに声をかけ合い、認め合いながら取り組むことが重要です。
「今日も自分の担当エリアをきれいにできた」「整頓した棚を、みんなが使ってくれている」「新しく入った利用者さんに、整理の仕方を教えてあげられた」——こうした経験の積み重ねが、利用者さんの自己肯定感を高め、職場全体のモラルと活力を底上げしていきます。
兵庫県赤穂市の就労継続支援B型フロンティアは、単に仕事の訓練をする場ではありません。ここは、人と人がつながり、互いに成長し合う場所です。清潔で整った環境が、利用者さんに「ここは自分たちの大切な場所だ」という帰属意識と誇りをもたらし、それがそのまま社会へ出たときの「働く力」になっていくのです。
5Sは「生き方の姿勢」へ
整理する。整頓する。清掃する。清潔を保つ。そして習慣にする。この5つのことは、実は仕事の場だけでなく、日常生活全般に通じる「生き方の姿勢」そのものです。
就労選択支援フロンティアでの利用者さんとの対話の中でよく聞かれる言葉があります。「自分にできることって、あるんですね」——その気づきの一つひとつが、私たちスタッフにとっても大きな喜びです。
5S活動は、派手な成果がすぐに出るものではありません。しかし、毎日少しずつ、確実に、職場と人の心を変えていきます。フロンティアはこれからも、利用者さんと職員が一緒になって、この地道な歩みを続けてまいります。
兵庫県赤穂市から、小さくても確かな光を灯し続けながら——。
就労継続支援B型フロンティア スタッフ一同より
きっと明るい、そして、もっと輝く、みんなの未来!
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