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「8050問題」って、聞いたことありますか?――支援の現場から、思うこと――

今日のテーマは「8050問題」です。最近ちょっとずつ耳にするようになってきた言葉ですが、「なんとなく聞いたことある気がするけど、よくわからない」という方も多いんじゃないかと思います。できるだけわかりやすくお話しするので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

🔍 そもそも「8050問題」ってなに?

ざっくり言うと、80代の親御さんが、50代のひきこもり状態の子どもを養い続けているという状況のことです。

「えっ、50代でひきこもり?」と思われた方も多いと思います。私もこの仕事をするまでは、ひきこもりって10代〜20代の若い子の話というイメージがありました。でも実は、そうじゃないんです。

内閣府が2019年に行った調査では、40〜64歳でひきこもり状態にある方が全国で推計61万人いることがわかりました。これ、15〜39歳の若い世代の約54万人より多いんです。ちょっと驚きませんか?

しかも、ひきこもりが平均で7年以上続いているという結果も出ています。4人に1人は10年以上というデータもあります。若い頃に何かのきっかけで社会とのつながりが切れてしまい、そのまま時間だけが過ぎていった……というケースがとても多いんですね。理由は人それぞれで、就職できなかった、職場でひどい目にあった、体や心の調子を崩した、など様々です。

そして今、その子どもたちが50代になり、支えてきた親が80代になった。「親が元気なうちは何とかなっていた」という状況が、崩れ始めているのが今の現実なんです。

ちょっと補足すると、日本って「恥の文化」があるじゃないですか。「うちの子がひきこもりだなんて、人に知られたくない」「家族で何とかしなきゃ」という気持ちから、長年ずっと抱え込んできた家庭が多いんです。支援につながれないまま時間が経ち、親の介護や死をきっかけに一気に問題が表面化する……そんなケースを聞くたびに、胸が痛くなります。

💻 フロンティアが在宅ワークを取り入れた理由

私たちの就労継続支援B型フロンティアでは、「在宅ワーク」をサービスメニューに入れています。のぼり旗の袋入れなどの軽作業を、自宅から取り組んでもらえるというものです。

なぜこれを取り入れたかというと、ひきこもり状態の方にとって「外に出ること」そのものが、一番高い壁になっているからです。支援の現場では、こんな声をよく耳にします。

「行きたい気持ちはあるんです。でも、玄関まで行って……やっぱり無理、って引き返してしまうんですよ。」

在宅なら、移動しなくていい。知らない人と顔を合わせなくていい。自分のペースで始められる。そういう意味で、「最初の小さな一歩」にちょうどいい入口になれると思ったんです

ただ、正直に言いますと……現在のところ、在宅ワークの利用者はまだいません(苦笑)

「えっ、じゃあ意味なかったの?」と思われるかもしれませんが、私はそうは思っていなくて。「メニューを作っただけでは届かない」という、大事なことを改めて感じています。支援って、「ありますよ」と案内するだけじゃダメなんですよね。その人のところまで届けるための、関係づくりや働きかけが必要なんだと。これは今後の大きな課題です。

⚖️ ハードルの高さって、難しいんです

在宅ワーク支援を福祉サービスとして行うためには、施設側がいろんな基準を満たさないといけません。利用者との連絡体制、記録の管理、支援員の配置……クリアしなきゃいけない条件がけっこうあります。

これ、なんでそんなに厳しいかというと——「在宅支援」って、施設に来てもらうのと違って、ちゃんと支援しているかどうかが外から見えにくいんですよね。なので、名ばかりで実態のない事業者が出てくることを防ぐ意味もあるんだと思います。

ただ、このハードルの高さって、難しい問題でして……。

ハードルが高すぎると……

  • 小さなNPOが参入しにくくなる

  • 地域の支援の選択肢が減ってしまう

  • 書類対応に追われて、肝心の支援が薄くなってしまう

逆に低すぎると……

  • 不正な事業者が増えてしまう

  • 利用者がちゃんとした支援を受けられなくなる

  • 制度全体への信頼が崩れてしまう

どっちに振っても問題が出る、なかなか難しい話なんです。個人的には、「困っている人に届かない支援は、どれだけ質が高くても意味がない」という思いもあって……。最初の一歩を支えたいという気持ちと、制度の壁の間で、もどかしさを感じることも正直あります。

🚪 「一歩踏み出す」って、どれほど大変なことか

この仕事をしていて、つくづく感じることがあります。

ひきこもり状態にある方にとって「新しい何かを始めてみる」というのは、私たちが想像するよりずっと、ずっと大変なことなんだと思います。

在宅ワークは「外に出なくていい」だけに、一見ハードルが低そうに見えます。でも本人の頭の中では、きっとこんな声が飛び交っているんです。

「ちゃんとできるかな・・・」「また失敗したらもう無理かもしれない・・・」「迷惑かけたくないな・・・」「出来るわけない・・・」……

こういった気持ちって、長い時間をかけて積み重なったものです。「大丈夫ですよ!」って声をかけるだけじゃ、なかなか動けない。

だからこそ私たちが大切にしたいのは、「まず安心できる関係を作ること」なんです。失敗しても責めない。うまくいかなくても一緒に考える。そういう場所が先にあってこそ、はじめて「ちょっとやってみようかな」という気持ちが生まれてくると思っています。

2024年度から新しく始まった「就労選択支援」という仕組みがあります。                                                               就労選択支援フロンティアでは、「どんな働き方が自分に合っているんだろう」というところから、焦らず一緒に考えることができます。                                   在宅ワークに興味がある方も、まずお気軽に相談してみてください😊 就労選択支援フロンティアは、そのための入口です。

次回は、「なぜひきこもりは長引いてしまうのか」「制度と現実のギャップ」「じゃあ社会全体としてどうすればいいの?」というあたりを、引き続き現場目線でお話ししていきたいと思います。「この問題、他人事じゃないな」と少しでも感じていただけたなら嬉しいです。次回もよろしくお願いします🙏

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2026.05.23